
1. 医学生による講義

医学生からは、がんの予防や早期発見に向けて「正しい情報を知ること」の重要性を中心に、日常生活で意識できるポイントを分かりやすくお伝えしました。検診は万能ではない一方で、適切な受診が早期発見につながることや、地域の制度(無料・低額の検診等)があることにも触れ、将来の行動につなげるきっかけとなる内容でした。
主なポイント
- がんに関する情報は、出典や掲載年月日などを確認し「正しい情報」に基づいて判断することが大切。
- 検診は100%完璧ではないが、早期発見につながる重要な機会である。
- 自分の体調変化に気づいたら「様子見」で終わらせず、周囲に相談することが重要。
- 家族や身近な人が検診対象年齢の場合、受診を勧めることが命を守る行動につながる。
2. がん経験者による体験談

安部さん(がん経験者)から、検診での要再検査をきっかけにがんが見つかった体験、治療と仕事を両立する中で感じた不安や葛藤についてお話しいただきました。特に、ネット上には古い情報や根拠の薄い情報も多く、信頼できる情報源に立ち戻ることが適切な治療選択につながった点や、「再検査に行くことの大切さ」が強く伝わる内容でした。
主なポイント
- 乳がんは検診で見つかり、手術に加えて放射線治療・ホルモン治療が必要になった。
- 治療方針に迷った際、信頼できる情報に立ち戻ることで正しい判断につながった。
- 大腸がんも健康診断(便検査)で陽性となり、再検査で発見された。
- 「再検査に行くこと」が命を救うことにつながる。
- 早期に見つかっても不安は続くことがあり、気持ちに寄り添う関わりが支えになる。
3. 生徒の反応・学び

授業後半では、児童からの質問に対して医学生・がん経験者が丁寧に回答しました。
「つらかったことは何か」「食事で気をつけることはあるか」「治療はどれくらい続くのか」など、率直な疑問が挙がり、学びを深める時間となりました。
また、授業のまとめとして、授業を担当された先生からも、検査結果が出るまでの不安や、健康を見直すきっかけになった経験が共有されました。
そのうえで、「今日学んだことを自分だけの学びにせず、家に帰ったら家族と話してみてほしい」という呼びかけが行われ、がん教育が家庭の会話へつながる意義が確認されました。
- 実施校
- 品川区立鈴ヶ森中学校(東京都品川区)
- 参加学生
- 国際医療福祉大学3年、がん経験者
- 実施日
- 2025/12/18
- 対象
- 中学2年