
1. 医学生による講義

「がんから自分を守る術を今日から実践する」を合言葉に、がんの正体・日本の現状・予防と検診について、双方向の問いかけを交えながらわかりやすく解説しました。
主なポイント
- 日本では2人に1人が生涯でがんを経験する、身近な病気である。
- 健康な人の体内でも日々がん細胞は生まれるが、免疫細胞が排除してくれている。
- 感染症起因のがん(例:胃がん〈ピロリ菌〉、子宮頸がん〈HPV〉など)への理解と対策が重要。
- HPVワクチンは子宮頸がんの予防に有効で、適切な時期の接種が推奨される(講義内では杉並区での男性接種対象化にも触れました)。
- 大人になったらがん検診(肺・大腸・子宮頸・乳・胃など)を活用し、早期発見につなげる。
2. がん経験者による体験談

高木さん(がん経験者)「がんになっても自分らしく生きるために」をテーマに講演。手術と治療、副作用・後遺症と向き合いながら、患者会(ピアサポート)の意義を語りました
主なポイント
- 同じ経験を持つ人同士が支え合うピアサポートは、不安の受け止め合いと希望の共有につながる。
- 病気を経験して気づいたのは、「時間は有限」という当たり前の事実。だからこそ「今をどう生きるか、誰と過ごすか」を大切に。
- 「自分には来年がありますか」と主治医に問うほど不安でも、治療と支え合いで13年の時間を紡いできた。
- 誰かに一声かける優しさは特別な能力ではなく、「心の動き」。それが支え合いの循環を生む。
3. 生徒の反応・学び
- 講義の問いかけに積極的に挙手する場面が多く、「自分ごと化」が進んでいる様子が見られました。
- 代表生徒からは「予防や検診の大切さを具体的に理解でき、生活習慣を見直すきっかけになった」「周囲とのつながりを忘れずにいたい」というコメントが寄せられました。
- 授業後も講師や経験者への質問が続き、関心の高さがうかがえました。
- 実施校
- 杉並区立高井戸中学校(東京都杉並区)
- 参加学生
- 群馬大学医学部4年、がん経験者
- 実施日
- 2025/10/17
- 対象
- 中学2年